スタニスラフ・ブーニン & オーケストラ・アンサンブル金沢
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2002年11月5日 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:ギュンター・ピヒラー
ピアノ:スタニスラフ・ブーニン
 

ショパン:幻想即興曲(即興曲第4番) 嬰ハ短調 Op.posth.66
ショパン:ポロネーズ第3番 イ長調 Op.40-1 「軍隊」

      ピアノ:スタニスラフ・ブーニン

モーツァルト:ピアノ協奏曲 第27番 変ロ長調 K.595

      ギュンター・ピヒラー指揮 オーケストラ・アンサンブル金沢
      ピアノ:スタニスラフ・ブーニン

(アンコール)曲目不詳

(休憩20分)

モーツァルト:交響曲 第41番 ハ長調 K.551 「ジュピター」

      ギュンター・ピヒラー指揮 オーケストラ・アンサンブル金沢 

(アンコール)
モーツァルト:交響曲 第40番 第3楽章


 

 
 

 10月末から冬型の天気が続き、新潟は毎日時雨模様。冷え込みもきつく、紅葉を楽しむ間もなく冬に突入ましした。本日も昨夜からの雪で、北陸道もチェーン規制。山の方から通勤している職員の車の屋根には雪が10cmほど載っていました。今年はあまりにも冬の訪れが早いです。今日のコンサートも無事に行けるかどうか心配でしたが、夕方には天候も治まり、ノーマルタイヤで北陸道をとばし、無事新潟市に到着することが出来ました。

 本日のコンサートは、ブーニンとオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の共演であり、同じ演目で6日、本拠地の金沢でもコンサートが行われます。本来はOEKのコンサートにブーニンが共演するということなのでしょうが、チラシを見てもブーニンの文字ばかり目立ち、OEKは小さく、ブーニンのコンサートにOEKがゲスト出演するような扱いです。ネームバリュー、人気の度合いから仕方ないのでしょうか。
 実は今回の新潟でのコンサートは、金沢に本店のある地元の有名デパートの大和の創業80周年記念企画。大和友の会会員だけの限定コンサートであり、金沢の公演の半額以下の料金設定(S席で5000円)です。会員でない私は本来は行けないはずでしたが、知人の計らいでS券をゲットすることができました。ブーニンの新潟での演奏は2000年10月以来、OEKの来演も2000年3月以来です。

 さて、会場は3階席に若干の空席があるのみで、かなりの盛況です。最初はブーニンによるショパン。ステージの照明が落とされ、ピアノにだけ照明が当たっています。ピアノはスタインウェイ。曲目は、当初は1曲目に英雄ポロネーズ、2曲目に幻想即興曲の予定でしたが、演奏者の都合とかで、1曲目に幻想即興曲、2曲目にポロネーズ3番「軍隊」と変更されました。急な変更はどういう理由からなのでしょうか。
 演奏は、スピード、勢いで押すブーニン節。ミスタッチも何のその、機関車が駆け抜けます。昔はこういう演奏は珍しくって、感激したものですが、今日は「うーん」とうなるのみでした。

 次は、楽員が登場してモーツァルト。ブーニンの演奏は例によって勢いで押していく鋭角的な演奏。対してOEKは柔らかなアンサンブルで、明らかにミスマッチ。ブーニンばかり目立ってしまって、OEKは伴奏という感じ。オケだけ聴いている分にはいい音色だと思うのですが、協奏曲としての味わいは乏しかったです。もっと編成が大きく、ブーニンに対抗するだけの音量があればまた違ったのかも知れません。もっともブーニンを聴くという意味ではこれで良かろうと思います。アンコールを一曲弾いてブーニンは終わり。

 休憩の後、ジュピター。きれいな柔らかな弦の音色はいいと思いましたが、オーソドックスな演奏で、新鮮な驚きというものはなかったです。終楽章の頑張りはナカナカかなと感じさせましたが、正直言って前半はちょっと退屈しました。颯爽とアンコールを演奏してコンサートは終了しました。

 こういうすばらしいオケを持つ金沢は羨ましいです。今月はヨーヨー・マとの共演も予定されているとのことです。OEKの新潟公演は久し振りです。先回の新潟公演は新潟定期演奏会と称しており、本当に定期的に演奏会を開催していくのかと思ったのですが、全く不定期。今回も会員限定の特別公演で、一般発売はされませんでした。今後も定期的に来演してもらいたいと思います。
 加賀百万石の文化都市金沢に対し、歴史の浅い港町新潟。文化の蓄積もありません。金沢のように自前のプロオーケストラを持つだけの文化的基盤は当地にはなく、せいぜい東響と仲良くしていくしかありません。

 柏崎への帰り道、途中みぞれの嵐。ノーマルタイヤでヒヤッとしましたが、降雪は局所的でありホットしました。このまま冬なのでしょうか・・。
 

(客席:2階 C ブロック 8-22)