どこかの英会話教室に通おうと決めても、どこがよいのか判断しづらい面があると思います。そのときは、まず同僚など、周囲の人に尋ねてみるのがよいと思います。
できれば月謝制のところがよいのですが、これはいまでは珍しいかもしれません。ですが、いきなり数十万も請求するところは避けてください。お金にしか興味がないところは、だいたいにおいて何に付けいい加減なものです。
英語学習の初心者であれば、カリキュラムのしっかりしたところを選ぶべきです。しっかりしている、していないの判断は難しいと思いますが、フリーディスカッション(自由討議)を中心としているところは避けるべきです。成人の場合に限って言えば、語学は、ある程度は体系的に学習しないと身に付きません。
独自の教材を持っているところがベストなのですが、しかしこれも教材費として高額な請求をするのであれば、怪しいと思ってください。見かけはコピーした粗末なものであっても内容がすぐれているケースが多くあります。書籍でなければならないという必然性はありません。
教材が立派でも、教える人がペケであれば意味を成しません。なんでもネイティブが一番だと考えがちですが、できれば英語の教授法を学んだ人あるいは英語を学習した人を自分の教師に選ぶべきです。なぜかこれを指摘する人が少なく、私は不思議に思っています。
いくらネイティブであっても、自分で学習していなければ、こちらの質問に対して適確に答えることができません。日本人であっても日本語の教師が務まるとは限らないことと同じです。例えば、「あれ」「これ」「それ」の使い分けをすぐに教えることのできる日本人は少数です。
社内の自主研修プログラムでのことでしたが、教師は横田基地に勤務する米軍人の奥さんでした。もちろんネイティブなのでペラペラとはしゃべるのですが、質問をすると「そういう風に言うのだ」というだけなのでさっぱりだったことを思い出します。
流ちょうに話せる人であれば、教師はスペイン人であっても、オランダ人であってもかまわないと思います。
私の先生はなんとベトナム人でした。日本に留学中にベトナムの政治体制が変わり、帰国できずにやむなく日本に滞在していた方でした。当時にベトナムから日本に留学するぐらいですから、上流階級の出身であり、本人も言っていたのですが、どちらかと言えば英語よりもフランス語のほうが得意という知識人でした。
非常に困難な状況のなかで、語学力を一種の武器として用い、生き抜いているだけに、英語以外にも学ぶ点が多くありました。彼がよく言っていたことがあります。どこか不慣れな外国でトラブルに巻き込まれたときにどうするんだと。「タスケテ!」と叫んでも通じないが、「ヘルプ!」と言えば分かってもらえる可能性は高くなるぞと。
趣味ではなく、実務のために学ぼうとするのであれば、言わんとするところはご理解いただけるかと思います。
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