■改造 ディスプレイ切替器
20030406
1998年8月8日。PowerMacでやっとMillenniumIIを動作させることができ、これで安心して改造モードから通常運用モードに移行できる、とラックに収納したら、ディスプレイに"OUT OF RANGE"と表示され画面がでなくなってしまった。これはいったい…
調査
運用時はディスプレイ切替器を通して接続していた。ディスプレイ直結だとちゃんと映るため、切替器が原因。
使用しているディスプレイ切替器はコンパルのスイッチナ3回路 STN-VD3HD。
この切替器は電子式で1600x1200ドットの表示までに対応している。つまり機械式のロータリースイッチにビデオ信号を流したりしてませんよーということ。バラすと主要な石はバーブラウンOPA4650P,74HC4053AP x2,PALCE20V8H-25PC。切り替えの制御回路をPALに書き込んでいるのでしょう。一部の信号が切替の対象になっていない可能性あり。
HwB: HardwareBook でVGA端子の調査。VGA(15)とVGA(VESA DDC)の端子あり。通常のビデオ信号と異なる、モニタIDを通知すると思われる端子を比較。また、対応するピンについてSWITCHNAではどう扱っているか配線を見て調査。
VGA(15) /
VGA(VESA DDC)
Pin# | VGA(15) | VGA(VESA DDC) | SWITCHNA
|
4 | ID2 | Reserved | OPEN
|
11 | ID0 | ID0(optional) | OPEN
|
12 | ID1 or SDA | SDA | 切替対象
|
15 | ID3 or SCL | SCL | 切替対象
|
これから考えると、SWITCHNAはVESA DDCに対応しているが、旧式のID0,ID2についてはオープンになっており無視している。また、ビデオカード(MillenniumII)はID0,ID2信号から"モニターがない"もしくは"高解像度のモニター"と判断している可能性あり。ディスプレイ側でPin11を調べてみるとGNDだった。
対処
(1) VGAコネクタのVGA入力1,VGA入力2,VGA入力3,VGA出力について、Pin11をすべて接続。
(2) VGA入力1,VGA出力1のPin4を接続。
[拡大]
これでVGA入力1にMillenniumIIの出力をつなぐとうまく表示されるようになった。MillenniumIIのマニュアルにはpin11はオープンと書いてあったが、実際には見ているようだ。実験中にわかったのだが、MillenniumIIはセンス信号がオープンになると解像度が640x480に戻る。違うディスプレイに接続されたら必ず表示できる解像度にするというのは賢い。
ついでながら切り替えスイッチは3Pのプッシュスイッチで、通常GND、押すとVccです。
※実際に改造したのは1998年のため、最近の製品では変わっている可能性があります。
参考資料/Link:
- コンパル
- TwB: The Hardware Book