2005年7月21日(木)
地方の競艇場に来ている。
8番の女性選手をカメラで追う。
私の左目に映った映像はそのままポケットの受信機に記録されるようになっている。
ボートの準備から出艇まで撮影し、観客席に戻る。
レース開始。
ボートは水面を走る。
そこに自転車やバイクの集団が飛び込んでいく。
レースの様子はわからなくなる。
とりあえず各ボートの現在位置が暫定順位のようだ。
レース場の水が抜かれていく。
一緒にいたN部長が調査に行く、と言ってどこかへ消えた。
左側に座っていた若い社員がつぶやくように言う。
会長や社長は使い込みをしていた。
自分もその手伝いをした。
その贖罪をここで果たすのだ、と。
なんのことだ。
そして叫び声とともに観客がいっせいに水が抜かれたレース場に飛び込む。
深い。
何人かは死ぬだろう。
私も背中を押された。
このレースは、観客数を減らすことでオッズを変動させるのだ。
ケガをしたらしい。
積み上がった死体の上にいた。
生きているものははしごを使って観客席に戻り、レース場が清掃される。
レース再開。
選手はバイクに乗っている。
スタート。
死体の山を越え、ゴールの壁へ激突。
選手は全員死んだ。
配当が出た。
今ごろになって部長が戻ってきた。