私が女猿岩石(略して女サルガン)と呼ばれ始めたのは、96年の春のこと。格安の周遊チケットで、アジアからヨーロッパ、アメリカと北半球を1周して帰ってきたら、友達の間でこう呼ばれていたのだった。

 地球一周なんて旅行は、痔を患っている時にはできなかった。長時間の飛行機や旅行中の疲労が、お尻に悪いからだ。
 でも、なにより、トイレの問題が大きかった。
 常に、『お尻に優しい逸品』を確保しておかなけばならない。
 基本は、腹圧のかかり方がマシな洋式タイプ。それが、もよおした便意が遠のかないような、美しく清潔な空間にあることも条件のひとつだ。
 脱肛を繰り返しているチョー悪化時は、イボ納めをするための場所も確保しなきゃいけなかった。
 これほどの条件が揃ったトイレ、探しとる間に1日終わっとるわい!
  ってなわけで、念願の“放浪”ができたのは、完治してから。術後、すぐに出発しなかったのは、究極ダイエットで体力が衰えていたせい。
 お尻が治り、身体も鍛え直した今、よほど社会情勢が不安な土地以外は、躊躇せず行っちゃうもんね。
 だから、インドにも行った。去年の暮れは中米にも行った。困ったのは、言葉ぐらいで、トイレに困ることはなかった。いつでもどこでもどんなスタイルでも恐れず気持ち良くブリブリブリ〜ッ!(失礼)
 もっとも、こりゃあびっくら!ってトイレはあった。今回は、そんな、日本とはちょいと変わったトイレのレポートを。