「イザとなったら佐原先生」
私のイボを見事に取ってくださった先生の名を、完治した今でもトイレでいきばる度に心の中で繰り返している。そんな『おしりの恋人』と、イザという事態じゃないのにお会いできた。再会した瞬間の気分は、“ちょっとアブノ一マルな遊びをしちゃった昔の男と、ばったり会った時”のようだった。(そんな経験はないから、あくまで想像だけど。)
 うれし恥ずかしの数時間を披露させてネ。

10人に1人のラッキーチャンスをみすみす逃さないで!
 まず、『ゴム輪結紮法』についての会話から。
 ゴム輪結紮法とは「内痔核に施せる、入院不要の根治手術法」です。本にも書いた通り、私は、診察にマメに通ってさえいれば、この手術法で治せたかも知れないのね。その悔しさが、今も残ってたのと、次回(があったら嫌だけど)万が一の時には、「真面目に通院しますから、是非この方法で」とお願いしたかったので、早速話題に出したのです。ところが、先生はこうおっしゃいました。
 「真面目に通院していたとしても、ゴム輪結紮法で治せたとは限らない」
 理由は、「ゴムでつまめるほどの大きさになったイボは、外痔核部分まで広がっている場合が多く、施せない」ことと「外痔核の部位に、他のイボができている場合もあり、ひとつのイボをゴム輪結紮で冶したとしても、根治できたとは言えない」ことです。だから、ゴム輪結紮法が施せる患者さんは、入院して手術を受ける患者さんに対し1割以下というほど、少ないのだそう。
 おかげで、私の悔しさはちょっぴり薄れたけど、だからって、皆さんは通院をさぼんないでね。もしかしたら、あなたが『10人にl人のラッキ一患者』なのかも知れないのですから!

ドクタ一、お願い!おしりにも定期検診を
 
次に、ぶつけた質間は「癌検診のように、おしりの定期検診がないのはなぜ?」です。
 もしおしりの検診が義務づけられてたら、いくら面倒で恥ずかしくても、診せる機会は増え、早期発見が可能になる。そればかりか予防にもつながると思ったから。でも、
「痔は命にダイレクトに関わらない病気のため、なかなか難しい」とのこと。残念!
「ではですね、ぜーったい痔にならないための予防法ってないんですか?」
「残念ながら、完全な予防法は、ありませんねぇ」
が〜ん!!「そ、そんなあ……!?」
「呼吸している人間が、いくら気をつけていても風邪を引いてしまう時ってあるでしょ。それと同じで、排泄している人間が、どれだけ清潔を心掛け、おしりを人切にしていても、痔になってしまう時はあるんですね」
 その分、毎日お風呂に入る、便通に注意する、などなど予防法は多彩にある。こんな地道な努力が痔を防ぐのだ。

佐原先生のうんちは○○○の香り
 
さて、お尻だけでなく全身の健康状態をチェックするために、自分のうんちを観察することは、とても大切です。でも、中には「そんなもの、見るのも嫌!」なんて人がいるかも知れません。そんな時、佐原先生のこの言葉を思い出してください。
「白分のうんちは、『ふるさとの香り』がする。なんとなく懐かしく、落ち着きます」
 トイレでひと仕事終えた後、今生み出したばかりの作品を愛しそうに眺める先生……。想像するとちょっと笑えるけど、マネすべき日課だと患います。
そこで、標語をひとつ。

 トイレでいきばり3分、鑑賞1分
 出来立てほかほかの作品が、いっもと違う臭い、形、色だったら、要注意。生活を振り返り、改善を。

 私ももちろん、日々我が作品を眺めています。そればかりか、先日は他人の作品まで眺めるチャンスに巡り合えました。
 それは、メキシコの、とある宿のトイレでのこと。
 朝、いきばりに入ったら、便器の底におはぎ=ぼたもちが2個落ちているのを発見したの。
 なんで!?寝ぼけまなこを擦ってよーく見たら、それは流し損ねた(!?)うんちだった。サイズ(横5cm縦8cm直径4cmぐらいに思われる)も形も本当におはぎそのもの。
 ジャンボな逸品を前に、私はただただ「うらやましい…」と眩いていた。だって、私のって、いつも直径1cmにも満たないような細うんち。同じ人間なのに、どうしてこれほどの違いが出るんだろう。宿は2食付きだったから、おはぎを落としていった人と食べてる物はそう変わりないと思う。なのにこの違いは!?
 肛門括約筋の柔軟性って、人種によっても違ってくるのかなあ。それとも、手術したことによって私のお尻の穴が小さくなったのかしら?私の大腸は、検査の結果、右下辺りにくねって細くなってる部分があるとわかったんだけれど、それと関係があるのかしら?頭の中は“?”だらけ。ドクターOK、解消してぇ!